2025/02/17 11:06

日本では、遺体が火葬される文化があることから、火葬場の需要が非常に高いです。しかし、都市部を中心に新たな火葬場の建設は難しく、既存の火葬場では対応が追いつかない状況が生じています。

具体的な例として、東京や大阪などの都市部では、火葬場の予約が数日~数週間待ちになることが頻発しています。また、地域によっては火葬場がパンク状態にあると報告されています(例えば、X上で見られる投稿からもこの問題が示唆されています)。


日本の火葬場不足問題は、以下の要因により顕著になっています。


1. 高齢化社会

日本の高齢化率は世界トップクラスで、死亡者数が増加していることが火葬場の需要増加につながっています。


2. 都市部への人口集中

都市部では土地が限られており、新たな火葬場を建設するスペースが不足しています。また、既存の火葬場でも処理能力が限界に達していることが多いです。


◎この問題はいつから生じているのか?ここ最近急にお亡くなりになる人が増えているのか?


日本で火葬場の待ち時間が顕在化し始めたのは、以下のような流れで考えられます。


<2000年代初頭>

日本の高齢化が本格化し始めたこの時期から、死亡者数が徐々に増加し、火葬場への需要が高まる兆候が見られました。しかし、この時点では都市部を中心にまだ大きな問題とはなっていませんでした。


<2010年代>

2010年代に入ると、特に都市部で火葬場の待ち時間が顕著になるようになりました。人口の集中と高齢化の進行により、特に大都市では火葬場のキャパシティが限界に近づき、数日~一週間程度の待ち時間が一般的になり始めました。


<2020年代以降>

この時期に入ると、待ち時間の問題が一層深刻化しました。新型コロナウイルスの影響で死亡者数が一時的に増加したことや、火葬場の利用が一層厳格化されたこともあり、待ち時間が数週間に及ぶことも珍しくなくなりました。また、都市部だけでなく地方でも同様の問題が顕在化し始めました。


このように、2000年代初頭からこの問題は予測されていて、すでに2010年代には問題は顕在化されていたため、ここ最近急にお亡くなりになる人が増えたことだけ(新型コロナウイルスによる直接、間接的影響による死亡者増)が直接的な原因ではなさそうです。2020年代に入り、おそらくSNS等の普及により、この問題が多くの人に知れ渡ることになり、より一層目立ち始めたものと考えられそうです。


◎なぜこの問題を予測できていたにもかかわらず、対処できなかったのでしょうか?


2020年代に火葬場不足問題が予測されていたにもかかわらず、対処が進まなかった理由は複数あるようです。


1. 土地問題(土地の確保が難しい)

特に都市部では、火葬場建設に適した土地を確保するのが非常に困難です。土地価格の高騰や、利用可能なスペースの不足が大きな障壁となっています。


2. 地域住民の反対(反対運動)

火葬場建設に対しては、臭気や煙などの環境問題から地域住民の反対運動が起こりやすいです。この反対運動が新たな火葬場の建設計画を頓挫させることがしばしばあります。


3. 法規制の厳しさ(法的な制約)

火葬場の建設や運営には、「墓地、埋葬等に関する法律」や環境規制、都市計画法など複数の法律や条例が関連しており、これらをすべて満たすことは容易ではありません。規制緩和が進まないことも対策を遅らせています。


4. 経済的要因(建設・運営コスト)

火葬場の建設は初期投資が大きい上、運営コストも高く、特に小規模施設では経済的な自立が難しいことがあります。これにより、新設計画が進まない場合があります。


5. 計画の遅延(長期的な計画の欠如)

火葬場の建設は中長期的な計画が必要ですが、実際の建設が始まるまでに時間がかかり、迅速な対応が難しいです。また、計画が立てられても、その実行に至るまでの時間が長くなることがあります。


6. 技術的・運用面の課題(効率化の限界)

既存の火葬場の効率化(例:夜間火葬の導入、火葬時間の短縮)は行われていますが、これにも限界があります。また、新技術の導入には時間とコストがかかります。


7. 政策的な優先順位(他の社会課題との競合)

火葬場問題は重要ですが、医療、教育、インフラなど他の社会課題と比べて政策的な優先順位が低くなることがあり、結果として対策が遅れる場合があります。


このような理由から現在も都市部では火葬場の新設計画が滞っているようです。火葬場は計画から完成まで約5年ほどかかるようなので、つまりこの問題は向こう5年間は解消されないどころか、死亡者数は年々増加傾向にあるため、より深刻度を増す(待ち時間に1ヶ月以上)可能性がありそうです。


国会議員には安全保障や社会保障、そして経済に関することについてを最優先課題として取り組んで欲しいところですが、少なくともLGBT問題や選択的夫婦別姓問題を優先するのであれば、火葬の待ち時間により嵩む葬儀コストは家計にとって大きな経済問題にもなりますし、公衆衛生の問題にもなりますので、議論の優先順位を上げてもらうことを願うばかりです。


ちなみに、火葬の待ち時間により嵩むコストには以下のようなものが挙げられます。


1.ドライアイス代(約5,000円/日)

国会議員にご遺体を安置する際にドライアイスが必要となりますが、その費用は1日あたり約5,000円ほど必要となります。


2.安置費用代(約1万円/日)

ご遺体をご自宅に安置される方は不要ですが、そのような場所がない場合は、葬儀社などの安置施設にご遺体を安置する必要があります。費用はおよそ1日あたり1万円ほど必要となります。


3.エンバーミング代(約15万円〜30万円)

安置期間が1週間を超えると、ドライアイスだけではご遺体の腐敗を防止するのは難しく、公衆衛生等の観点からもエンバーミングを施してもらう必要が考えられます。費用はおよそ1530万円ほどとなります。


もし1ヶ月も火葬を待つような場合には、


ドライアイス代約15万円(約5,000円×30日)+安置費用約30万円(約1万円×30日)+エンバーミング代約30万円=約75万円


最大で約75万円もコストが嵩む可能性がありそうです。


◎果たして火葬場不足問題の解消策はあるのか?


火葬場不足問題を解消するための解決策は、多角的なアプローチが必要です。以下に具体的な解決策を列挙します。


短期的な解決策

1.既存火葬場の効率化
夜間火葬>
昼間だけでなく、夜間も火葬を行うことで処理能力を増やす。


<火葬時間の短縮>
最新の火葬設備の導入や運用方法の改善で、1件あたりの火葬時間を短縮。


<スタッフの増強>
人員を増やし、シフトを調整して火葬数を増やす。


2.共同利用の促進

<自治体治体間の協力>

複数の自治体が共同で火葬場を運用することで、リソースの有効活用。


●中長期的な解決策

3.新設の推進

<土地確保>

都市計画を見直し、火葬場建設に適した土地を確保する。郊外への建設や、既存の施設の敷地内での拡張も考慮。


<地域域住民との合意>

丁寧な説明会や啓発活動を通じて、火葬場の必要性と環境対策について理解を得る。


<規制の見直し>

火葬場建設に関する法律や環境規制を柔軟に見直し、建設を促進する。


4.小型火葬場の導入

<地方や小規模コミュニティ向け>

都市部だけでなく、需要に応じた小規模火葬場を地方に設置することで、全体の供給を増やす。


5.技術革新の導入

<省エネルギー型火葬炉>

エネルギー効率が高く、排出ガスを減らす新しい火葬炉の採用。


<リモート火葬>

技術が進歩すれば、遠隔操作による火葬も可能となり、火葬場の運用負担を軽減。


●その他の解決策

6.教育と啓発

事前相談・予約システム>

遺族が事前に相談や予約ができるシステムを強化し、ピーク時の混雑を緩和。


7.政策と法制の見直し

火葬場の設置や運営に関する法律の改正>

より効率的かつ環境に配慮した運用を可能にする法改正を検討。



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