2025/02/21 10:34
日本ではご遺骨を捨てることは犯罪です。具体的には、「刑法第190条(死体損壊等罪)」に違反する行為とみなされます。以下に詳しく説明します。
1. 法律の規定
刑法第190条では、次のように定められています。
「死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三年以下の懲役に処する。」
「遺骨」とは火葬後の骨を含みます。つまり、遺骨をゴミ箱に捨てたり、公共の場所に放置したりすることは「遺棄」に該当し、処罰の対象となります。最大で3年以下の懲役が科される可能性があります。
2. 具体的なケースと判例
<東京駅での遺棄事件(2017年)>
JR東京駅のコインロッカーに妻の遺骨を放置した男性が逮捕されました。このケースでは、遺骨が入った骨壺を故意に置き去りにしたことが「遺棄」と認定され、刑法違反で捜査されました。
<高速道路サービスエリアでの遺骨遺棄(2025年報道)>
高速道路のサービスエリアのごみ箱に骨壺が捨てられている事例が複数確認され、警察が遺棄罪として対応を検討中と報じられています(2025年2月時点)。これも明らかに違法行為です。
3. 例外やグレーゾーン
<散骨は条件次第で合法>
遺骨を粉末状にして海や山に撒く「散骨」は、刑法第190条の「遺棄」に該当しないとされています。ただし、自治体の条例や私有地の許可に注意が必要です。1991年の法務省見解でも、「節度をもって行えば違法ではない」とされています。
<自治体への引き渡し>
引き取り手がない場合、自治体に遺骨を預けることは問題ありません。その後、自治体が合祀墓などに納めるのは合法的な処理です。
4. なぜ犯罪なのか?
遺骨を勝手に捨てることは、故人への敬意を欠く行為とされ、社会的な秩序や倫理観を乱すとみなされます。また、遺骨が公共の場で発見されると、衛生面や他者への心理的影響も考慮されます。
ご遺骨をゴミとして捨てたり、公共の場所に放置したりすることは明確に犯罪です。ただし、散骨や自治体への引き渡しのように、適切な方法で処理すれば違法にはなりません。
「ご遺骨を勝手に捨てるケースが増えている」という話は、近年日本で実際に話題になっています。以下に具体的な状況と事例を挙げて説明します。
1. 遺骨廃棄が増えている背景と現状
<無縁遺骨の増加>
総務省の2023年3月の調査によると、引き取り手のない「無縁遺骨」が全国で約6万柱近くに上るとされています。この数は、2018年から2021年までの約3年半で30%以上増加しており、家族や親族がいない、あるいは引き取りを拒否するケースが背景にあります。例えば、身元が分かっても「疎遠だった」「経済的に無理」といった理由で親族が引き取らないことが増えています。
<墓じまいと遺骨処理の困難>
少子高齢化や都市部への人口移動で、先祖代々のお墓を維持できない家庭が増えています。全国で「墓じまい」は年間15万件を超え、遺骨をどうするか悩む人が増加。経済的な理由や後継者不在で、お墓や遺骨をそのまま放置したり、適切な供養先が見つからなかったりするケースが目立ちます。
2. なぜ「廃棄」が増えるのか?
<経済的負担>
お墓の維持費や永代供養の費用(数万円~数十万円)が払えない人が増えています。例えば、一般的な墓石のお墓は100~200万円が相場で、追加費用もかかるため、経済的に厳しい家庭では遺骨の処理に困ります。
<家族関係の希薄化>
高齢者の孤独死や、親族との疎遠化が進み、遺骨を引き取る人がいない状況が顕著に。例えば、2020年の孤独死者数は全国で約6,727人と推計され、その一部が無縁遺骨になっています。
<価値観の変化>
「お墓や遺骨にこだわらない」という人が増え、散骨や手元供養を選ぶ一方で、それすらできない場合に放置に至ることも。
3. 具体的なデータと事例
<警察への遺骨届け出>
2017年の毎日新聞によると、過去3年間で全国の警察に届けられた遺骨の落とし物は203件で、8割が持ち主不明。コインロッカーや電車の網棚に放置される例が多発しています。
<自治体の対応>
自治体が一時保管する遺骨も増えており、例えば大阪市では引き取り手のない遺骨を合祀墓に納める取り組みが進んでいますが、対応しきれない地域も多いです。
4. 廃棄ではない解決策も増加
遺骨を「廃棄」するのではなく、適切に処理する動きもあります。
<散骨>
海や山に遺骨を撒く方法で、費用は5~30万円程度。法律上、粉末状にして自然に還せば問題ありません。
<合祀墓>
複数の遺骨を一緒に埋葬するお墓で、3万円~10万円程度と安価。霊園や寺院が管理を引き受けるため、後継者不要です。
<ゼロ葬>
火葬場で遺骨を完全に焼き切り、遺灰として引き取らずに済む方法。ただし、対応可能な火葬場は限られます。
「ご遺骨の廃棄」が増えているというよりは、引き取り手のない遺骨や適切な処理が難しいケースが目立ってきているのが実情です。法律違反を避けるためにも、散骨や合祀墓などの選択肢が現実的な解決策として広がっています。
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