2025/03/09 19:06

今年の春のお彼岸は以下の期間になります。

2025年3月17日~3月23日

※春分の日は3月20日頃と予想されますが、正確な日は天文学的計算に基づくので確認が必要です

◎そもそもお彼岸とは?

お彼岸(おひがん)とは、日本で主に仏教に関連する伝統的な行事で、春と秋の年2回、特定の期間に行われます。具体的には、春分の日と秋分の日を中日(ちゅうにち)とする7日間(計14日間)がお彼岸の期間とされています。この期間は、先祖や亡くなった人々を敬い、供養するための大切な時間とされています。

◎お彼岸の言葉の由来と意味は?

「お彼岸」という言葉は、サンスクリット語の「波羅蜜(はらみつ)」に由来し、仏教でいう「彼岸(ひがん)」は悟りの境地、つまり極楽浄土を指します。対して「此岸(しがん)」は現世、つまり私たちが生きている世界を意味します。お彼岸は、此岸から彼岸へと向かうための修行や供養を行う期間と考えられています。

春分の日と秋分の日は、昼と夜の長さがほぼ等しくなる日であり、自然と調和し、先祖の霊とつながりやすい時期とされてきました。このため、お彼岸には家族が集まり、先祖を偲ぶ習慣が根付いています。

◎お彼岸に行う主な習慣は?

1. お墓参り
お彼岸の期間中、多くの人がお墓を訪れ、掃除をしたり、花やお供え物を供えたりします。お線香を焚いて手を合わせ、先祖に感謝の気持ちを伝えるのが一般的です。


<お供え物>
「おはぎ」や「ぼたもち」と呼ばれる餅菓子がお彼岸の定番です。春のお彼岸では「ぼたもち」秋のお彼岸では「おはぎ」と呼び分けられることが多いですが、基本的には同じもので、地域や家庭によって違いがあります。これは、小豆の赤色が邪気を払うとされているためです。


2. 法要
お寺で法要が行われることもあり、僧侶を招いて読経をしてもらう家庭もあります。

◎お彼岸の歴史について(いつから定着し始めたのか?)

お彼岸は仏教の教えと日本の伝統が融合した独特の行事であり、長い年月をかけて現在の形に定着しました。


1. お彼岸の起源

お彼岸の概念は、仏教の「彼岸(ひがん)」という言葉に由来します。「彼岸」は、サンスクリット語の「 pāramitā(波羅蜜)」から来ており、「到彼岸」、つまり悟りの境地に達することを意味します。仏教がインドから中国を経て日本に伝わった際、この思想が日本独自の文化や信仰と結びついて発展しました。

お彼岸の期間が春分・秋分の日を中心に設定された理由は、これらの日が昼と夜の長さが等しくなる「中庸」の日であることにあります。仏教では、極端を避け調和を重んじる教えが重視され、春分・秋分がその象徴として選ばれたと考えられます。また、中国の道教や儒教の影響も指摘されており、自然と人間の調和を尊ぶ思想が背景にあるとされています。


2. 日本での成立

お彼岸が日本で明確な行事として記録に現れるのは、平安時代(794年~1185年)にさかのぼります。平安時代中期の806年、嵯峨天皇の時代に「彼岸会(ひがんえ)」が宮中で行われたという記録が『日本後紀』に残っています。この彼岸会は、春分・秋分の日に合わせて7日間、仏教の経典を読んだり供養を行ったりする儀式で、当初は貴族や僧侶を中心とした宗教行事でした。

この時期、日本では仏教が国家宗教として広まりつつあり、先祖供養や極楽往生を願う信仰が根付き始めていました。特に、浄土教の影響が強まるにつれて、先祖の霊を敬い、彼岸(極楽浄土)へ導くための供養が重視されるようになりました。


3. 中世から近世への発展

平安時代から鎌倉時代(1185年~1333年)にかけて、仏教が庶民にも浸透するにつれ、お彼岸は貴族階級だけでなく一般の人々にも広まりました。室町時代(1336年~1573年)になると、お彼岸の期間にお寺で法要が行われ、檀家制度を通じて地域社会に根付いていきました。

江戸時代(1603年~1868年)に入ると、お彼岸はさらに民間信仰と結びつき、現在のようなお墓参りやお供えの習慣が定着しました。この頃には、「おはぎ」や「ぼたもち」を食べる風習も広まり、季節の食べ物として親しまれるようになりました。江戸時代の文献には、お彼岸にお寺や墓地に多くの人が集まる様子が描かれており、庶民の年中行事としての地位を確立していたことがうかがえます。


4. 近代以降

明治時代(1868年~1912年)以降、日本が近代化を進める中で、お彼岸は一部で簡略化されたものの、基本的には伝統が維持されました。春分・秋分の日は1948年に「国民の祝日に関する法律」で「春分の日」「秋分の日」として正式に祝日に制定され、お彼岸の期間がより明確に意識されるようになりました。

現代では、お彼岸は宗教的な意味合いだけでなく、家族が集まり先祖を偲ぶ機会として、幅広い世代に受け継がれています。都市化や核家族化が進む中で、お墓参りの習慣が薄れつつある地域もありますが、依然として日本文化に深く根付いた行事として続いています。

◎お彼岸は他のアジアの仏教国や儒教国でも行われている?

お彼岸は中国や韓国など他の東アジアの仏教国には類似の習慣があまり見られません。日本独自の行事と言って良いでしょう。これは、日本の自然崇拝(春分・秋分という季節の節目を重視する考え方)や先祖崇拝の伝統が仏教と融合した結果と考えられます。特に、お盆とは異なり、お彼岸は「先祖の霊が帰ってくる」というよりも、「此岸から彼岸へ思いを馳せる」という内面的な供養に重点が置かれている点が特徴的です。


お彼岸の歴史は、平安時代に宮中で始まった彼岸会に端を発し、仏教の教えと日本の風土が結びついて発展したものです。中世以降、庶民に広まり、江戸時代に現在の形がほぼ完成しました。2025年の今も、先祖を敬う心と共に、日本人の季節感や自然観を反映した行事として続いています。


お彼岸は、先祖への敬意と共に、自分自身の生き方を見つめ直す機会でもあります。忙しい日常の中で、家族や過去と向き合う時間を取ることで、心の平穏を得るという側面もあります。ぜひ今年の春彼岸もお墓参りに行きましょう。

◎春のお彼岸が近づいていますが、お墓参りにどうしても行けない場合は?

今年の春のお彼岸は2025年3月17日~3月23日ですが、お彼岸にお墓参りに行けない場合でも、先祖を敬い、供養する気持ちを大切にすれば、さまざまな方法でその思いを表現できます。お墓参りはあくまで供養の一つの形であり、物理的に行けない状況でも、心を込めた代替案で十分に意味を果たせます。以下に具体的なアイデアを挙げます。


1. 自宅で供養する

<仏壇や位牌にお参り>

家に仏壇がある場合、お彼岸の期間中に手を合わせ、お線香を焚いて先祖に感謝の気持ちを伝えます。お花やお供え物(おはぎや果物など)を用意すると、より丁寧な供養になります。

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<写真や思い出の品に手を合わせる>

仏壇がない場合でも、先祖の写真やゆかりの品を飾り、その前で静かに祈ることで供養の気持ちを表せます。


<お経を読む>

お経を知っている場合は唱えるか、YouTubeやアプリでお経の音声を流して一緒に手を合わせるのも一つの方法です。お経がなくても、心の中で先祖へのメッセージを語りかけるだけでも十分です。


2. お供え物を作る

お彼岸の伝統的なお供え物である「おはぎ」や「ぼたもち」を手作りして、家族で食べながら先祖を偲ぶのも良い方法です。作ったものを仏壇や写真の前に供え、その後でいただくことで、先祖とつながる気持ちを味わえます。忙しい場合は、市販のおはぎでも問題ありません。


3. 心の中で祈る

お墓参りに行けなくても、どこにいても先祖を思い、心の中で感謝や供養の気持ちを持つことが大切です。例えば、通勤中や休憩時間に少し目を閉じて「いつも見守ってくれてありがとう」と考えるだけでも、心の供養になります。


4. お寺や神社に代わりにお願いする

お寺に連絡して、僧侶に読経や供養を依頼する方法もあります。お彼岸の期間には、多くの寺院が「彼岸会(ひがんえ)」という法要を行っているので、参加できなくても寄付や供養料を納めて代行してもらうことが可能です。事前に連絡して確認すると良いでしょう。


5. 別の日に墓参りをする

お彼岸の7日間にこだわらず、都合の良い日にお墓参りに行くのも一つの選択肢です。お彼岸は春分・秋分の日を中日とする期間ですが、先祖への思いは時期を問わず大切にされます。後日、落ち着いてお墓を訪れるのも立派な供養です。


6. 家族や親戚と連絡を取る

お墓参りに行けない場合でも、家族や親戚に電話やメッセージで「お彼岸だから先祖のことを思い出してるよ」と伝えることで、みんなで偲ぶ気持ちを共有できます。誰かが代わりにお墓参りに行ってくれるようお願いするのも良いアイデアです。


以上、形式よりも気持ちが大事ということです。

お彼岸の習慣は地域や家庭によって異なりますが、重要なのは先祖への敬意や感謝の心です。無理にお墓に行く必要はなく、自分にできる範囲で供養すれば十分です。

仕事や距離、健康などの理由で墓参りに行けない場合も、「行けなくてごめんね」と心の中で詫びつつ、前向きに代替案を選べば、先祖も理解してくれるはずです。

◎【補足】お供え物で控えた方が良いもの・避けるべきもの

お彼岸のお供え物には、先祖への敬意や感謝を表すと共に、仏教の教えや日本の伝統に基づいた慣習があります。そのため、控えた方が良いものや避けるべきものがいくつか存在します。これらは地域や宗派、家庭の慣習によって多少異なる場合もありますが、一般的なガイドラインを以下にまとめます。


1. 肉や魚などの「殺生」を連想させるもの

仏教では「不殺生(生き物を殺さない)」が基本的な教えの一つであり、特に供養の場では殺生を避けることが推奨されます。お彼岸は先祖の霊を敬い、極楽浄土への思いを馳せる時期なので、肉や魚介類は不適切とされます。

(例)焼肉、刺身、魚の煮付け、鶏肉料理など。

※一部の地域や宗派(例えば浄土真宗)では、肉や魚を供えることが許容される場合もありますが、一般的には避けた方が無難です。


2. 五辛(ごしん)と呼ばれる刺激の強いもの

仏教では「五辛」と呼ばれる、匂いや刺激の強い食材が禁じられることがあります。これは、修行の妨げになる、穢れを招くと考えられるためです。お彼岸の供養でも、これらを避けるのが慣習です。

(例)ニンニク、ネギ、ニラ、ラッキョウ、タマネギ。これらを含む料理(例: ニンニク風味の炒め物)も控えます。

※お寺によっては厳密に守らない場合もありますが、伝統的には避けるのが無難です。


3. 生ものや腐りやすいもの

お供え物はしばらく置かれることが多いため、衛生面や見た目の問題から、すぐに傷むものは避けられます。また、生ものは殺生を連想させる場合もあるため、慎重に扱われます。

(例)生魚、生肉、生クリームを使ったケーキなど。

※果物(リンゴ、ミカン、バナナなど)のように日持ちするものはOKです。


4. アルコール類(場合による)

仏教では酒を禁じる戒律があるため、基本的にお供え物としてのアルコールは控えられます。ただし、先祖が生前にお酒好きだった場合や、地域の習慣で許容されるケースもあるので、家庭次第です。

(例)ビール、日本酒、ワインなど。

※お茶や水を供えるのが一般的で、清浄なイメージがあります。


5. 派手すぎるものや不自然なもの

お彼岸は静かに先祖を偲ぶ行事なので、過度に派手な装飾や人工的なものはそぐわないとされます。シンプルで自然な供え物が好まれます。

(例)カラフルなキャンディー、人工着色料たっぷりのお菓子、ジャンクフードなど。

※素朴なおはぎや和菓子が伝統的で適切です。

◎【補足】おすすめのお供え物は?

逆に、お彼岸に適したお供え物をいくつか挙げておきます。これらは控えるべきものを避けつつ、先祖への敬意を表すのにふさわしいものです。


<おはぎ・ぼたもち>

お彼岸の定番で、小豆の赤色が邪気を払うとされます。


<果物>

リンゴ、ミカン、梨、バナナなど。季節の果物が喜ばれます。


<お花>

菊やユリなど、供養にふさわしい落ち着いた花。派手すぎないものが良いです。


<お菓子>

羊羹、饅頭、せんべいなど、素朴な和菓子。


<お茶や水>

清浄さを象徴し、シンプルで無難。


なお、下げた後のお供え物は一定時間置いた後、家族でいただくのが一般的です。そのため、食べられるもの、みんなで分けやすいものを選ぶのもポイントです。



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