2025/03/12 10:39

終活”は果たしていつ頃から行なっておくべきものなのでしょうか?

多死社会の日本では、最近テレビや新聞等で”終活”という言葉をよく耳に、目にする機会が多いことでしょう。


さて終活を始めるべき時期よりも前に、ここではまず終活の意味と意義について簡単に説明したいと思います。

◎終活とは?

終活(しゅうかつ)とは、「人生の終わり(終焉)を意識して、自分らしい最期を迎えるための準備活動」のことを指します。正式には「終末活動」や「終活」と呼ばれ、2000年代後半頃から日本で広まり始めた概念です。単に「死ぬ準備」ではなく、残りの人生をより良く生きるため、そして遺される人々に迷惑をかけないための前向きな取り組みとして捉えられています。


<語源と背景>

「終活」という言葉は、「就職活動(就活)」になぞらえて作られた和製英語で、2009年頃に週刊朝日で特集されたことがきっかけで一般に浸透したと言われています。

◎どうして終活を行なうべきなのか?

終活を行う理由は、自分自身と周囲の人々のために大きなメリットがあるからです。以下に主な理由を挙げます。


1. 自分の意志を尊重するため

終活を通じて、医療、葬儀、財産などに関する自分の希望を明確にしておくことで、最期まで自分の価値観や信念に基づいた人生を送れます。例えば、延命治療を望まない場合や特定の葬儀形式を希望する場合、それを事前に伝えておかないと家族や医師が異なる判断をしてしまう可能性があります。


2. 家族や周囲の負担を軽減するため

突然の死や病気で何も準備がないと、遺された家族は悲しみに加えて財産整理、葬儀の手配、意思決定の迷いなどで疲弊します。終活をしておけば、家族が「どうすればいいか」と悩む時間を減らし、精神的・経済的な負担を軽くできます。


3. 後悔やトラブルを防ぐため

遺言や資産の分け方が不明確だと、相続争いなどのトラブルが起こりやすいです。終活で事前に整理しておけば、遺族間の関係悪化を防ぎ、自分が築いたものを穏やかに引き継がせられます。また、生前に感謝や謝罪を伝えたい相手に気持ちを伝えることで、心残りを減らせます。


4. 生き方を見直すきっかけになる

終活は「死」を考えるプロセスですが、同時に「どう生きるか」を再確認する機会にもなります。残りの人生で何を大切にしたいかを見つめ直し、より充実した日々を送るモチベーションにもつながります。


5. 現代社会の複雑さに対応するため

デジタルアカウントやオンライン資産が増えた現代では、放置すると家族が困るケースも。終活でこれらを整理しておくことは、時代に即した準備と言えます。

◎さて、それでは終活はいつ頃から始めておくべきなのか?

終活に「遅すぎる」はあっても「早すぎる」はありません。具体的なタイミングは個人の状況次第ですが、以下に目安を示します。


1. 40代〜50代

この年代はまだ健康で判断力もあり、仕事や子育てが一段落する人が多い時期です。冷静に将来を見据えて準備を始めやすく、家族との対話もしやすいタイミングです。実際、終活関連のセミナーや相談会では40代〜50代の参加者が増えていると言われているようです。


(具体例)エンディングノートの作成、資産の棚卸し、親の終活サポートを兼ねた自分ごとの検討など


2. 遅くとも60代前半

定年退職や健康面での変化が意識され始める時期で、終活を具体化する人が多いです。厚生労働省のデータ(2023年時点)によると、日本人の平均寿命は男性約81歳、女性約87歳ですが、健康寿命(自立して生活できる期間)はそれより約10年短いため、元気なうちに準備を終えるのが賢明です。


(具体例)遺言書の作成、医療方針の決定、家の片付けなど


3. 状況に応じた早めの開始

<病気や大きなライフイベント時>

健康に不安を感じたときや、親の死を経験したときなど、終活を意識するきっかけがあればすぐ始めても良いです。


<20代〜30代でも>

若いうちからデジタル終活や簡易なエンディングノートを書く人も増えており、早めに価値観を整理する習慣をつけるのは合理的です。


終活は「いつかやらなきゃ」ではなく、「今できることから始める」のが理想です。理由はシンプルで、誰もが明日何が起こるか分からないからです。最初は簡単なことから、例えば「不要な物を捨てる」「家族に一つだけ希望を伝える」でも十分です。


◎現状の終活状況は?

果たして、実際には各世代でどのくらいの人が終活に着手されているのでしょうか?

ここでは、厚生労働省「人生の最終段階における医療に関する意識調査(2017年)」と日本生命「遺言に関する意識調査(2019年)」の情報から、推定値を導いてみました。




<ベビーブーマー世代(61-79歳)>

この世代は主に65歳以上で、終活の参加率は約14.3%と最も高いと推定されます。これは高齢者層が自身の終末期について考える機会が多いことを反映しています。


<X世代(45-60歳)>

45-60歳のX世代では、約5%が終活に取り組んでいる可能性があります。若年層に比べて終活の必要性を意識し始める人が増える一方で、まだ低い割合です。


<ミレニアル世代(29-44歳)>

29-44歳のミレニアル世代では、約2%が終活に参加していると推定されます。この世代はまだ若く、終活の必要性をあまり感じていない人が多いようです。


<Z世代(28歳以下)>

28歳以下のZ世代では、終活の参加率は1%未満と非常に低く、若年層では終活への関心が低いことが示唆されます。

◎終活で押さえておくべき大事なポイントは?

終活で押さえておくべき大事なポイントは、個人の価値観や状況によって多少異なるものの、一般的に以下の要素が重要とされています。これらは、自分自身が納得できる最期を迎えるため、そして残される家族や周囲の負担を軽減するために役立ちます。


1. 財産・遺産の整理

自分の資産(預金、不動産、保険など)を把握し、遺言書やエンディングノートで明確に伝えます。

これは相続トラブルを防ぎ、家族が混乱しないようにするためで、特に遺言書は法的な効力を持つので、希望を確実に反映させたい場合に有効です。


(具体例)銀行口座のリスト資産の分配方法不動産の処分方針など


2. 医療・介護の方針の決定

延命治療の希望や介護が必要になった場合の対応を事前に決めておき、家族や医師に伝えます。

これは自分が意識を失った場合でも、自分の意志が尊重されるようにするためです。


(具体例)「尊厳死宣言書」の作成、緩和ケアの希望特定の治療を拒否する意向など


3. 葬儀やお墓の希望

葬儀の形式(家族葬、盛大な式など)、宗教儀式の有無、遺骨の扱い(散骨、納骨など)を決めておきます。

これは家族に判断を迷わせず、経済的・精神的な負担を減らすためです。また、自分の価値観も反映できます。


(具体例)「家族葬で」「香典は不要」「骨は海に撒く」といった具体的な指示


4. 身の回りの物の整理

不要な物を処分し、残したい物や思い出の品を明確に伝えます。

これは遺品整理の負担を軽減し、家族が困らないようにするためです。


(具体例)写真や手紙の整理、デジタル遺品(SNSアカウントやパスワード)の管理方法


5. 人間関係の清算

感謝や謝罪を伝えたい人に気持ちを伝えておきます。

これは後悔を残さず、心の整理をつけるためです。


(具体例)手紙を書く、再会する、電話で話すなど


6. デジタル終活

オンラインアカウントやデータの扱いを決めておきます。

これはデジタル遺産が放置されると家族がアクセスできず困る場合があるからです。


(具体例)パスワードのリスト化、SNSの削除記念アカウント化の希望


終活とは、「人生の締めくくりを自分らしく迎えるための準備」です。それは死を待つ消極的な行為ではなく、生きている今をより良くするための積極的な活動でもあります。みなさんにとって「終活」と聞いてどんなイメージが浮かびますか?これを機に、家族や身近な人たちと気軽に終活について楽しみながら話してみましょう。




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